らくえん〜あいかわらずな僕。の場合〜(TerraLunar)


カノジョ不在18年目の冬。
ちょっとだけ仲がよかった後輩の女の子に、彼氏がいるって知った。
別に好きだったわけじゃない。
なのに、なぜか胸の奥がもやもやしてる。
そして、受験失敗。
おめでとう、予備校合格(誰でも合格できる)。
桜が咲いたことなんか一度もない僕の人生。
それでもけっこう日々は楽し。
あの日までは。あの電話がかかってくるまでは。
あのとき、受話器をとらなければ。
僕はフツーでのんきな日々を過ごせたんだろう。


↑の流れからエロゲ制作に関わることになってしまったオタクで変人な主人公とオタクで変人な仲間たちによる楽屋ネタ満載のゲーム。
神レベルの馬鹿演出ゲー『しすたぁエンジェル』のスタッフによる演出が更にオタク度を跳ね上げてます。
(例:『今だ!(パチンコの)解放台ゲトーーーーー!』の台詞の最後にタイミング合わせて"ズザーーーー!!"の効果音)


徹頭徹尾ダメオタによるダメオタのためのダメオタ物語なので、強烈に人を選ぶ代わりにツボに填ると比類無く面白い。
『吼えよペン』とかがダメなひとは回避していた方が無難。


エロゲ開発がどんどん泥沼に填って順調にデスマーチ化していく様が、メーカー勤務の自分の仕事でも嫌になるほど身に覚えがありすぎて笑った笑った。
(上流部が日程遅延するとバタフライ効果並みに後工程が遅れていく所とか、「発売日が決まってもできてないものは売れない」→「出来てなくて発売されたゲームもいっぱいありますけどね」→「出来てないのに買っちゃったゲームもいっぱいありますけどね」の流れとか)


開発職のひとなら、いざ自分を欺す時に有用な台詞てんこ盛りのゲームでした。


ひたすら人を選ぶけど比類無きという点では神ゲー
(ブルマゲーの中の『ぶるまー2000』並みに濃ゆくて狭い世界ですが)