よちよち文藝部(久世番子)


文学初心者の番子さんを部長に、日本文学・文豪の故きをテキトーに温ね、新しきを知ったかぶるよちよち文藝部、略して「よち文」の活動をエッセイ漫画に。
太宰、漱石、中也、賢治、谷崎…といった超有名文豪とその作品の魅力や驚きのトリビアを、番子部長と担当部員が語り倒します!
「この文豪、結婚してたの!?」
「主人公の名前がエロ老人!?」
「れもんっていうよりバナナって顔よね〜」
などなど、学びながらも爆笑できる新しい文藝コミックエッセイです!
描き下ろし1コマも多数収録。

とりあえず、帯書いたヤツ出廷。
帯にデカデカと書いてある『(文藝作品を)読んでなくても大丈夫!』ですが、まずコレが大嘘。
最低限の知識として、
・日本文藝の主要作家の代表作は全て諳んじている。(粗筋とヤマ場のシーンくらいは脳内に入っている)
・同じく、主要作家のプロフィールもだいたい頭に入っている。
のが最低条件です。
 
いきなり桜桃忌のレポート?から話が始まっているんですが、桜桃忌に対する説明は全く無し。
いくら文藝的にはメジャーでも、桜桃忌だけ聴いて意味が解る人ってだいぶ少ないんじゃ?
禅林寺には森鴎外の墓もあるので(鴎外は)無視ですか? ってネタも仕込んでは居るんですが、鴎外の本名が林太郎って知っている人間は更に少ないだろ!!
 
中原中也はひたすら黒目をネタにされているけど。弄るならもっと他のことで弄れよ。ぶっちゃけ、この人ならエピソードに困らんだろ。
というか、詩人なのになんで本人の写真で語るのか。
 
というか、↑に書かれている程度のことなら現代ならググれば意味を調べることも出来ましょうが、どんどんと弄る部分がディープになって行ってしまい、中盤以降は本気で文藝活動していた人しか解らないレベルのギャグに成り果てます。
解る人は評価もしているでしょうけど、帯をみて覚悟もなしに買ってしまった人のウチの何割が解るのかと。
例えれば、


世界で一番幸せな男は?
──アメリカの家に住み、イギリスの給料をもらい、中国の食事をとり、日本人の妻を持つ男。
 
じゃあ、世界で一番不幸な男は?
──日本の家に住み、中国の給料をもらい、イギリスの食事をとり、アメリカ人の妻を持つ男

↑は、解る人には面白いジョークですが、それぞれの民族性(と一般的に思われている傾向)が解らない人は何が面白いのか解らないという、こんな感覚を思い出しました。
 
と言うわけで、戦犯は帯書いた人。
ぶっちゃけ、私が読んでも何が書いてあるかは解ったけど、何処が面白いかまでは解らなかった。
 
本屋あるあるネタとか、服飾ネタならきちんと面白さも理解できたんだけどねぇ。