魔法少女リリカルなのは(都築真紀:メガミ文庫)読破。

KZA2006-01-18


平凡な小学三年生、高町なのは。不思議なフェレットのユーノと、彼が持つ魔法のデバイスレイジングハートとの出会いで、魔法少女としての運命に巻き込まれる。
危険な古代遺産「ジュエルシード」を巡り争うことになる異世界の少女、フェイト・テスタロッサとの出会いや時空管理局の介入から事態は激しさを増し、戦いの日々へと…
悲しい運命を背負ったフェイトに惹かれ、同じ寂しさを分かち合いたいと願ったなのは。
「友達に、なりたいんだ」思いを届けるため、なのはは自らが得た魔法を手に、フェイトと、運命の闘いを選んだ…。

アニメ放送では10話でフェイトとの勝負は決着が付き、最終決戦に繋がるわけですが、この小説版はそこでの勝負が水入りで終わってしまい、双方の決着が付かないまま、しかしながら最終決戦は終わっているという設定で始まります。
(よくわかんない人は、石破ラブラブ天驚拳でデビルガンダムは滅んでいるけど師匠との決着が付いていないGガンダム状態だと思ってください)
なんでこんな設定にしたのかよくわからないのですが、たぶん、アニメ版のシナリオは本来この順番だったんだろうなぁと。


単にアニメのシナリオを文庫に起こしただけの小説版ではなく、TV本編で語られなかった脇役悪役の裏事情の説明が主となっています。
魔法少女リリカルなのは』という作品は、結構裏設定がありながらも尺の関係でスルーされた設定が多く、サウンドステージという音楽CD内のボイスドラマでそれらが解説されていました。
この本はそれをテキストに起こしたものというのが一番近い説明ですね。
アニメ『魔法少女リリカルなのは』と『魔法少女リリカルなのはA's』の間を補完する話でもあります。
どちらかというと読み物というよりも設定書として読むものでしょう。

追記。


なのはの保有する才である莫大な魔力量と瞬間出力。そして、優れた遠隔制御能力。
それのみを頼りに組み立てられた戦闘法が、現在のなのはのスタイルである。


最大速度と瞬間加速にこそ優れるが、小回りが利かない重い機動。
設置系や時間差系といった小技を使えないため、動きの早い相手には格好の的になる。
その欠点を補助することを、なのはの愛丈レイジングハートはあえてしなかった。
避けるのではなく、受けてそらす。あるいは正面から受けきるという選択。
細かく移動しなければ、攻撃と防御のみに術者も杖も集中できる。
たとえ十発撃たれても、それを耐えきって一発撃ち抜けば逆転できる威力を、なのはの魔法は持っている。
ろくな訓練もないまま実戦に出ざるを得ず、移動と防御、攻撃の切り替えを同時かつ高速に行えるようになるにはもうしばし時間がかかるはずのなのはを想ったレイジングハートが、自らの性能やモードごとの変形機能をそう調整していったのである。

(中略)

結果、遠間からの射撃程度では揺るぎもしない圧倒的防御力を持ち、あらゆる方向から変則的な軌道を描いて高速で襲う誘導操作弾を自在に操り、わずかな隙を見せれば一撃必殺の砲で打ち抜く、中遠距離単独戦闘のエキスパート。
そんな一風変わった「砲撃魔導士」が完成していた。


…あなたはドコのスーパーロボットですか。なのはさん
人間のこと言っているように聞こえねぇ…