孤独のグルメ (谷口ジロー)


孤独な男のアンチ食通の美学!
久住昌之「あとがきにかえて」から

 入ったことのない飲食店に入る時、ある種の「勇気」がいるのはなぜだろう。
 別に黒塗り壁の料亭にフリで入ろうというのでも、ネクタイ・ジャケット着用してない人お断りのフランス料理店に飛び込もうというのでもないのに、だ。
 単なる、いや単なると言っちゃ失礼だ、どこにでもありそうな、レバニラ炒め定食680円冷や奴付きなんてメニューの定食屋、半ちやんラーメン600円なんていうラーメン屋、そういう店に、しかし初めて入ってみようかどうしようか、という時の話である。
……(中略)……
 ひとりで入るコワサを、ビクビクしてる自分をわかっていながら、イイ店を見つけた時の喜び、早く人に教えたい…でも教えたくない、という気分。それが、グルメガイド読んで店の外にゾロゾロ並んで食う連中にわかるものかバカヤロー!

内容を知りたければここら辺を読んだ方が解ります。
いやぁ、渋い。
終始フラットに進むので、これ、よほど漫画読み慣れている人か逆に全く読まない人くらいしか面白さが解らないんじゃないかしらん?
ストーリーは、主人公が腹へった→町の定食屋に入る→喰う→終了。
なんつーか、完璧に等身大の営業マンの実生活の鄙猥を味あわせてくれるのですが、流石にまだ共感は無理だわこれ。
投げ捨て漫画じゃないというくらいのことは解るけど、真価を味わうには経験値不足ですな。