あかね色に染まる坂 (feng)


前作『青空の見える丘』の舞台・私立ファミーユ学院の姉妹校で起こる、
もうひとつのドラマティックな物語――。

金持ち学校とはいえ進学校、そろそろ受験の話も出てきた2年生の秋。学園に準一の許嫁という「片桐優姫」が転校してくる。
だが二人の出会いの形は最悪で、準一は優姫にとことん嫌われてしまう。準一もまたその態度に、優姫のことを嫌ってしまう。

だが、この許嫁という関係を壊すのをよしとしない互いの親からの命令で学年が代わるまで毎月1度デートをすることを義務づけられる。
そして、それでも心が全く動かないなら婚約は破棄してもいいというお話へ。

優姫はとっつきにくいところはあるものの、そのキャラクターや立ち振る舞いで姫というあだ名を得て、クラスでの話題と人気をさらう。
優姫との学園生活が始まり、様々などたばたが巻き起こる。穏やかだった生活はいったいどうなってしまうのだろうか?

公式
fengにはWhitePrincessというろくでもない思い出がたっぷりなのですが、このスタッフが手がけた前作の『青空の見える丘』は図抜けて良い出来だったので期待していた1本。
 
二度に渡る直前の発売延期とか、7/27-28日が研修で泊まりだったので一日スタートが遅れた頃にはメーカーのBBSや2chの作品別スレが炎上していたりと、かなりびくびくモノでスタートしたのですが、杞憂に終わりました。
 
まぁ、正直、前作の方が面白かったとは思いますが、これでも充分良作だと思うんだよなぁ。
前作は特にメインストーリーと言うほど1本筋の通った話はなく、場面場面でのコメディに重点を置く構成。
今作はヒロインの一人「片桐優姫」が財閥の一人娘というところからくるあれやこれやがメインになっていて、単発イベントの数が激減しています。
たぶん、コレが前作のパワーアップ版を期待して買った人の逆鱗に触れたんだろうけどねぇ。
 
萌えモノからストーリーモノに移行したくせに、ヘタに萌えモノの影響の残る万能系友人を出したおかげで、ほぼすべての事件を主人公がサポートして友人が解決という主従逆転現象を起こしているのも何だけど、それは主人公自身が自分にできることを自覚して藪蛇にならないように自制するっていう点では燃えポイントだと思うんだけどなぁ。
 
そんなわけで、最近エロゲの目標が萌えヒロインじゃなくて燃え主人公が見たいということに変わってきている私的には充分良作。
純粋に萌えゲやストーリーゲーとして見ると…凡策以上佳作未満かねぇ。
 

追記。夕日に笑顔でキメは卑怯だと思うのですよ。