魔弾の王と戦姫(1)〜(5)


ブリューヌ王国とジスタート王国が両国の国境・ディナント平原で激突した戦いは、ジスタートの圧勝で終わった。
壊滅したブリューヌ軍の小貴族・ティグルヴルムド=ヴォルン(ティグル)は敗走の最中、ジスタート軍の指揮官・エレオノーラ=ヴィルターリア(エレン)と遭遇。
彼は得意とする弓で彼女を討とうとするも失敗し、エレンの捕虜となってしまう。
一方、この戦いで次期国王と目されていた王子を失ったブリューヌでは、俄に内乱の機運が高まる。
その影響は、主ティグル不在の地・アルサスにも及ぼうとしていた。

ラノベで戦記物。
実は相性最悪の組み合わせだと思うわけですよ。ラノベ+戦記。
普通に戦記物を書くと、ネームドの登場人物だけですぐに数十人。下手すりゃ3桁の大台に乗る作品も多いと言うのに、
ラノベではヒロインを萌やさないといけないor主人公を目立たせなくちゃならない→尺を取る→必然的に登場人物の数に制限が…
という流れになるので、普通に考えても両者成り立ちません。
 
そこら辺をどう解決しているのかと思って読み始めてみたんですが……出たよ、指揮官+補佐官の2名だけで全軍統率。
出来るわけねぇだろ!!とかツッコミ入れられるのは覚悟の上なんだろうなぁ。
 
書かれてないけど兵站の構築とか索敵エリアの設定とか徴兵・訓練計画の立案とか部隊編成手配とかは無名の人たちが頑張ってページの外で実施されていたんでしょう。書かれてないけど。
 
ラノベ時空だから仕方が無いよね!!で済ました方が精神安定上良いと思うのでそこら辺のツッコミは無しで考えると、まぁ、何というか、ありがち普通?
「神の降した7つの神具を守る7人の乙女」ってフレーズにするといくらでも転がってるからなぁ。
ありがちな設定でも上手く書ける人も多いんだけど、この作者さんの場合は微妙。
 
何のかんの言いながらも第1部完の最新刊(5)まで読んでるんだから、面白かったのかねぇ。自覚は無いけど。
 
追記。
しかし、「相手が10倍の数でも総大将をピンポイントで討てば全軍壊走する」はゲーム脳過ぎるだろ。
実際の所、総大将がいなくなって余計にバーサークした例は史実にいくらでもあるわけで。
総大将がやられたと思ったら後継いだ副官がマジチートだったっていうことも…