闘神都市3 (アリスソフト)


『闘神大会』――それは、闘神都市という街で年に一度行われるトーナメント制の闘技会。
出場者は見目麗しい女性をパートナーにすることを義務づけられ、試合に勝利したものは、その後24時間の間、対戦相手のパートナーを自由にできるというルールが存在する。
また、優勝者には “闘神” の称号が与えられ、パートナーと共に、闘神区画と呼ばれる特権区画での贅沢な生活が生涯保証されるという。
 
主人公・ナクトの父は闘神大会に出場し、「優勝したから帰る」という知らせを寄越したまま、消息を絶った。
父の失踪から5年が経過し、成長したナクトは、父の行方探しと自らの腕試しを目的に、
神大会出場を目指して故郷の村を後にする―――。

とうとう出ました闘神都市3。14年ぶりに
いくら何でも待たせすぎだろうとは思うけど、会社が傾いたときに出すシリーズって公式で認めている以上、出ない方が良かったタイトルでもあるわけですが。
 
2があまりに神ゲーだったので、流石に3で更にパワーアップはないだろうなぁと達観した視点でプレイしたわけですが、予想を裏切る駄目っぷりにちと頭がクラクラと。
タイトルに囚われない視点で見れば、クソゲーというわけではありません。……が、わざわざ闘神都市の名を冠した以上はもう少しどうにかならなかったかなぁという部分が多すぎて。
見た目で一番の変更点は、戦闘・ダンジョン内移動の3D化何でしょうが、3D化に伴い、
・マップ読み込み時間の拡大。
・敵キャラの数の圧倒的減少&色違い敵キャラ大増殖
・女の子モンスター捕獲(コレクション性)排除&種類の大幅減
と、見事に行程のスリム化に成功しています。
また、戦闘がドラクエ式ターン制からリアルタイム制になったことにより、戦闘時間の大幅な延長にも成功しております。なんでスキップできんのよ。
とまぁ、正直3D化して良くなった部分って皆無なんですよねぇ。
3D化は世間の風潮ですし、3D化第一作と言うことで満足の行く出来じゃないのはある意味仕方がないのですが。
おかげで、女の子モンスターを捕獲して自分の屋敷でコレクションすることや、家具類を購入して闘神館の中を倉庫状態にすることも出来なくなりました。
前作のやり込み要素が全て排除されています。
代わりに、今回のやり込み要素として出ているのが剣に各種アイテムを付与することで剣の能力を上げることが出来るシステム。

↑こんな感じに、碁盤目上の拡張スロットに付与素材を嵌め込んでいくことで、剣の能力を上げていくというシステムです。
大昔、同じアリスソフトの『王道勇者』で、主人公の鞄の中身がこういう碁盤目上になっていて、そこに置ききれる分だけしか持ち歩くことが出来ないと言うシステム(ダンジョンマスター方式)がありましたが、それと同じ感じです。
…付与素材(ブロック)がみんな2x2とか3x3とか4x4とか綺麗な正方形していなければパズル要素として面白かったんだけどねぇ。
挙げ句の果てに、拡張スロット自体を無限に拡張できます。
テトリスで言うならば、ブロックが積み上がってきたらいくらでも天井を上げることが出来る状況なワケで、事実上、何の制限にもなっていません。流石にこれは呆れた。
ずいぶんと文句ばかりですが、以上の難点は、このゲーム単体としてみるならば『そういう(やり込みなど考えないカジュアル)ゲームなんだ』と言うことで納得行く点だったりします。
ただ、ここで闘神都市?というタイトルのせいで、?よりも出来ることが減っている=悪印象になるんですよね。
 
システムはそれくらいにしておいて、シナリオの面から見ると…
ここで闘神都市の大会における敗者(パートナー)のデメリットを上げてみますと
・試合決着から24時間の間は、身体を勝者の好きにされる。
・その後、身代金が払えなければ3年間の無償奉仕(奴隷同等)
とまぁ、パートナーの前提条件の『見目麗しい女子』と併せると洒落にならないデメリットがあるわけです。(それに見合うメリットもあるけど)
闘神都市1では、パートナー側に参加する理由があり、主人公は戦闘役として相乗りした形なのでデメリットを乗り越える理由があります。
2では、闘神大会に優勝しないと恋人が他人と結婚させられるという限界状態の主人公と、主人公の実力を信じる姉(母)代わりという組み合わせなので、デメリットを把握してでも進まなくてはならない理由があります。
まぁ、デメリットが酷すぎるので、対戦相手のパートナーに対しても何でこんな大会に参加しているんだ? という疑問も置きますし、参加せざるを得ない背景を描くことでドラマも生まれます。
3では、どうせデメリットを負うのはパートナーだからと深く考えずに出場する馬鹿や、主君の姫様掠って逃亡中なのでここで居場所を築かないと一生逃亡人生なブシドーなどなど、一回戦一回戦がドラマでした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
……さて。?ですが。
単に参加規約をよく読まずに契約しちゃったと。
とりあえず、ここで一度ぶん投げた私を誰が責められようか。
「5年前に闘神大会で優勝したまま帰ってこない親父」を捜して自分も大会に参加するのなら参加規約くらい読め。解らないことはきちんと人に聞け。世の中全部フィーリングだけで渡ろうとするな。
最初がそんなだから、後のシナリオも追って知るべし。
試合相手のパートナーには全員手を出す(?は手を出す/出さないの選択式。シナリオも微妙に変わる)
レイプシーンは必ず視姦(しっかり最後まで見た後、『参加者同士の私闘禁止』ルールを忘れて吠えかかってボーダーさん達に仲裁に入られる)
「(お前が私闘をするとパートナーに負けと同じペナルティが架せられる)お嬢ちゃん(ヒロイン)はお前にとってそんなに軽い存在なのか」と言われたその日に私闘しようとする。そして止められる。
とまぁ、脳筋と言うかちと常識を疑う素行のオンパレード。
中盤の転換部、ヒロインと離ればなれになるシーンでは本来は泣かせのシーンのはずなのに「またやってるよ」しか感想が出てこなくて白ける白ける。
最後も見事な投げっぱなしなので、シナリオに期待していた自分は見事に外されました。いや、ほんとにこれはない。これだけはアリエナイ。
まぁ、シナリオ部分でも、あまり深く考えず読み進めていればそれなりに起承転結はあるし纏まっているとも言えなくもない。振り向いたら負け。
 
 
全体的に、カジュアル化している現在の流れに乗っちゃったんだなぁという感じです。
本格伝記小説だと思ったら続編が『とある魔術の禁書目録』だった とか、アイマス アニメ化でワクテカしていたらゼノグラシアだったとかって感じですか。
悪くはないんだけど、客層違うだろ。それ。と言うしかないというか……