MS IGLOO 603 全02巻 (MEIMU)


宇宙世紀0079年1月。
第603技術試験隊に配属されたオリヴァー・マイ技術中尉は、後に“ルウム戦役”と呼ばれる宇宙艦隊決戦にて、歴史の転換期を目撃する……。
1年戦争秘録、待望のコミカライズ!

OVAMS IGLOOのコミカライズ。
要はMSX(機動戦士ガンダム放送未登場MS)のさらに番外編。
テレビ放送ではあっさりと登場している"新型MS"を作るのに裏方はこんだけ苦労しているんだぞというサイドエピソード集ですな。
まぁ、リアルに考えれば連邦がザクの初撃を喰らってMSショックに襲われてから4ヶ月でガンタンク完成、8ヶ月でガンダム完成、一ヶ月でGMを量産化とか言う開発のタイムスケジュールの中にとかテストとかないよなぁとしか言いようがないんだけど。
…車だって、マイナーチェンジ車で8〜12ヶ月。フルモデルチェンジ車には設計完了後から14ヶ月くらいはかかるぞ。

そこら辺の些細なことを気にしなければ、かなり面白いミリタリーモノ。
結局、ジオンの負けで終わるのが解っているところが奇想天外兵器っぽいというか、幻の超重爆撃機・富岳っぽいというか、すげぇ日本人好みの架空戦記物というか。

とんでもないって言うか、単に無駄だろ…(周りには"水"っていう熱吸収性抜群の媒体が無尽蔵にあるのでエネルギー性兵器なんかただ直進するだけでガリガリエネルギーが減衰する&相手側は喰らっても周り全てが冷却剤)
たぶん、開発動機は『格好いいから』なんだろうけど、技術者はたまったもんじゃないなぁ。
 
そんなわけで、ガンダムのリアル系の部分を追求している漫画なはずなのに、読んでいるとつくづくガンダムも博士一人でコツコツと巨大ロボを作ってしまうマジンガーZと同様のアニメワールドなんだなぁという、全く逆の感慨に襲われてしまうところが難点ですが、あんまり裏を考えなければオススメ。
 
しかし、アニメの設定屋というのは、兵器でも何でも、「機械」を作るのにどれだけ工数がかかるのかの見通しが甘過ぎやしないかなぁ。